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第1回目はその異様を目にした方も多いと思います、ミューラー邸です(マーラー、あるいはモーラーとする資料もあります)。半年間ほど補修工事をしていて、いったいどうするのか興味があったのですが、なんとホテルです。都市型プチホテルとでも呼べばいいのでしょうか。ホテル名は「衡山馬勒別墅飯店」。運営は衡山賓館グループで北西に2号楼を新築し、旧館にはかつての瑞金賓館のように庭園側にカフェができました。宿泊費は650元から4,000元とかなりお高い設定。当然、各部屋にバスルームを新設するだろうし、なんだかがっかりです。日本人からすると上海市が買い取って公開すればと思うのですが・・・。
それはさておき、この屋敷の施主、イギリス系ユダヤ人のエリック・ミューラーは1919年上海に渡り、一頭の競馬馬から財をなし、当事の競馬会董事にまで上りつめた人物。
エリックには溺愛する娘がいました。ある夜、彼女の夢にお伽話のお城がでてきたそうです。翌朝目が覚めた彼女は父親にその夢のお城をスケッチして見せました。そしてその絵をもとにエリックはこの邸宅を建てたのでした。
1936年竣工(1938年とする資料もあります)。敷地面積は約5000平方メートル。建築面積2989平方メートル。RC+レンガ構造で3層+尖塔からなる典型的なヴィクトリン・ゴシック様式です。
ヴィクトリン・ゴシック様式は、ヴィクトリア女王時代(1837〜1901)の建築様式で19世紀初頭イギリスで再流行しました。様々な表面材料を使うのが特徴で、ミューラー邸もチェッカー模様等の色々なタイルで覆われています。庭側の中央棟3層目の妻部分は、疑似ハーフティンバーになっています。
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上/南庭園側のテラス。軒部分にカーペンターゴシック調の飾り。右上/庭園から見たミューラー邸。右/玄関ポーチコの庇。オリエンタルと西洋の混在。軒のランプは新しく付替えられたもののようです。2階の張出窓はゴシックアーチではなくパッラディオ窓。(アンドレア・パッラディオはポートマンのレストラン名の由来でもある著名な建築家) |
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映画村の「東海影視楽園」にセットとして作られており、テレビドラマ等の背景としてご覧になった方も多いのではないでしょうか。
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上/ミューラーと愛娘。「走在歴史的記憶」上海科学技術出版社発行より |
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上/玄関ホールの階段。列柱は大理石風。 |
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